No.264/2024年9月20日【錆びて】 赤錆びてゆく塩入れの留め金具 残暑かくまで身にこたえいつ

久永草太

うちは塩も砂糖もおんなじ見た目の瓶に入れていて、ずぼらだからラベルも貼っていない。パッと見たところまるで一緒だけれど、塩の方がアルミの金具が錆びていて、おかげで見分けがつく。けれどこの金具が限界まで錆びて弾けてしまう日がいつかは来るのだろう。残暑の体もどこそこ錆びついてきているので、弾けてしまう前に、はやく涼しくなって欲しい。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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