パラソルがとてもまぶしいしろじろと戻らぬ時間のやうに振らないで
あつこさんの歌から、若いときに愛誦した中原中也吾の「別離」の詩を思い出した。 「さよなら、さよなら! あなたはそんなにパラソルを振る 僕にはあんまり眩しい のです あなたはそんなにパラソルを振る さよなら、さよなら! さよなら、さよなら!」。学生時代にクラスメイトの福島泰樹と萩原朔太郎、伊東靜雄、中原中也の詩をよく声に出して読んだ。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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