No.220/2024年8月7日【草】 残酷になれる私が名を知らぬまま抜いてゆく夏の草の芽

久永草太

職場の駐車場や植え込みの草抜きをする。コミカンソウ。カタバミの仲間。ウリクサ。たぶんオニタビラコ。たぶんハイニシキソウ。なにこれ知らない。これもわからない。みんな小さい芽のうちだからなかなか判別が難しい。そういうときは抜かずにおいて大きくなるのを待ちたいところだけれど、仕事なのでそうはいかず、ひとつ、またひとつ抜いていく。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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