【おしらせ】特別ゲストのバトンタッチと8月のおしらせ

おしらせ

毎日暑いですね。おかげでビールがおいしい日々です。

特別ゲストのバトンタッチと、8月についてのおしらせです。

6・7月の特別ゲスト/福山ろかさん

6月、7月の二か月間、いちごつみ一家の弟として福山ろかさんにご参加いただきました。

作者/福山ろか(ふくやまろか)

2004年、浜松市生まれ。埼玉県在住。高校一年次、現代文の授業をきっかけに作歌を始める。「さえずりに気づく」で第六十八回角川短歌賞次席。「眼鏡のふち」で第六十九回角川短歌賞次席。「白昼」で第三十五回歌壇賞次席。慶應義塾大学在学中。東京大学Q短歌会所属。

福山さんが詠んだ9首は↓からお読みになれます。

福山さんからのご感想

みんな大好き福山ろかさんに、二か月いちごつみをやってみてのご感想を頂きました。

 普段は発見をもとに短歌を作ることが多いので、メンバーの歌を見て一語を摘み、大体一日で歌をつくるというのはスリリングでとても面白かったです。歌をつなぎながら、いろいろな言葉を摘んで一首をつくるみなさんの表現の広さに驚いていました。特に印象に残った歌について、感想を書きたいと思います。

身口意(しんくい)をみがくわかもの畏るべし六月の露華(ろくわ)すずしく光る/伊藤一彦(6月17日)

 なんといってもこの歌、「六月の露華(ろくわ)すずしく光る」! 私の名前を詠み込んでいただいて、とても嬉しいです。この前の歌が私の「今日を終え静かなる夜 真空のようなこころで歯をみがきおり」で「みがく」の一語が摘まれているのですが、「真空」から「身口意」という伏流のつながりもあってかっこいいと思いました。身口意とは身体活動と言語活動と精神活動、露華は雨上がりにきらめく露のこと。さ行の清らかでさらさらとしたイメージ、「く」の音の繰り返しによるリズム感、第四句の「ろ」の頭韻の心地よさなど、韻律的にも非常に美しい歌だと思います。本当に嬉しく、胸に刻んでいる一首です。

迷い蜂幾度も窓にぶつかりぬ誰か諦め方を教えて/久永草太(6月24日)
 
 初めて見たときからすごくいい歌だなと感動した歌です。外に出ようと窓にぶつかっている蜂と、それをぼんやり見ている自分。その描写と下の句の取り合わせが絶妙だと思いました。この歌では窓が開放的な感じではなく空間を隔絶するものとして表現されており、それがあまり見たことがないイメージで新しく感じました。蜂というのもいいなと思います。ここでは人間にとって刺してくるリスクがある危険な生き物という意味付けはほとんど脱色されていて、窓にぶつかっている蜂の大きさや質量が表現されていると感じました。「諦め方」ってなんだろう、ということを考えました。

諦めぬ方を選んでいいですか角から溶けるグラスの氷/乃上あつこ(6月25日)
 
 上の久永さんの翌日の歌です。一語を摘んで発想を飛ばすつながりと、イメージを引き継いで広げていくつながりがあるとすれば、この歌は後者でしょう。「諦め方を教えて」という抒情に対して、「諦めぬ方を選んでいいですか」という思いにもまた抒情があると思います。下の句の描写からは、グラスに入った氷が角から溶けていくという発見と、そこに主体がとどまっていた時間が感じられました。上の句と下の句の直接つながりはない距離感がよく、明るい/暗いといった単純ではない感情や落ち着いた空気感があり、なにか本当のことであるという印象を抱きました。

二か月、ゲストとして参加させていただいてとても楽しかったです。ありがとうございました。これからの「三世代のいちごつみ」も楽しみにしています!

福山さん、二か月間ありがとうございました!

8月からの特別ゲスト

8月からは僕(久永)の従姉、母(乃上)の姪ということで、大森静佳さんにご参加いただきます。

作者/大森静佳(おおもりしずか)

1989年、岡山県生まれ。「京大短歌」を経て「塔」短歌会編集委員。2010年に第56回角川短歌賞を受賞。歌集に『てのひらを燃やす』、『カミーユ』、『ヘクタール』がある。京都市在住。

哲西町の「牧水おこわ」を手にひょっこり登場。なんてノリのいい従姉なのでしょう……!
毎週日曜日が特別ゲストの歌の日。さっそく明日登場です!

8月のおしらせ

おしらせ① 歌を回す順番

8月1日から、歌をリレーする順番が逆回転になります。
7月:伊藤→乃上→久永
8月:伊藤←乃上←久永

おしらせ② 8月の写真

月毎に変わっていくサムネイル画像。8月はエビガライチゴの写真になります。

また祖父が撮ってきてくれました。海老の殻みたいに尖っていますね。歌の鋭さもこのようにありたいものです。

8月のいちごつみもどうぞよろしくお願いします!

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