No.209/2024年7月27日【津田梅子】 津田梅子の五千円とまれ柴三郎の千円は彼らしくて爽やか

伊藤一彦

知人の紹介で、相澤好治著『北里柴三郎と高木兼寛』(バイオコミュニケーションズ刊)を読んでいる。柴三郎は熊本、兼寛は宮崎、とともに九州の出身である。医学者としての共通点が多い。著者は言う。「二人は、強い反骨精神を持ち続け、陸軍や東大の権威に抗して自説を主張し、医学を社会に役立たせて後世に名を残した。高木は日本の疫学の父、北里は実験的衛生学(微生物学)の父と言ってよいと思う」。柴三郎は1万円よりも庶民的な千円の方が似合うような気がする。わが宮崎県高岡出身の兼寛がお札になる日は来るだろうか。それよりも、キャッシュレス時代の本格化するこれからは新札はもうないのではと言う声もきこえてくる。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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