No.208/2024年7月26日【辺境】 辺境の小さな動物病院のレジへようこそ津田梅子さん

久永草太

7月3日に新札が発行されて三週間、北里柴三郎の千円札と渋沢栄一の一万円札にはお目にかかって、五千円札だけがまだだったのだが、レジ閉めの作業中についに出会った。津田梅子さんの、きりりとした肖像、何か見透かされそうな眼差し。じきに珍しくはなくなるのだろうけれど、この田舎の病院に辿り着くまでの旅路を思いながら、レジに戻した。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

コメント

タイトルとURLをコピーしました