誤差ほどの微差の重なる運命の川の流れに飛び交う蛍
葉室麟の小説『川あかり』の登場人物は、みな個性的で魅力にあふれている。どの人物に気持ちを寄せるかで物語の味わいが変わってくる。誰もみな偶然の積み重ねによって、今の暮らしを送っている。運命はさまざまなものが混ざった川のように思う。どんなことが起きようとも川は流れを止めない。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)
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1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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