丸つぼの湯のかたわらの葉にかかり急速に冷えゆく湯を見ていたり
露天風呂に入っていると、半ば無意識に湯船をぱしゃぱしゃとして外の岩や砂利にお湯をかけていることがある。近くの植物にかかってしまうと若干申し訳ない気持ちになって、ふっと気がつく。イメージとしてはあたりの植物は割と青々としているイメージがあるが、実際温泉がかかることはどれくらい影響があるのだろう。葉先にかかった細かな水滴は一瞬で冷えている感じがして、湯船のなかのお湯との状態の変化を面白く感じる。
作者/福山ろか(ふくやまろか)
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2004年、浜松市生まれ。埼玉県在住。高校一年次、現代文の授業をきっかけに作歌を始める。「さえずりに気づく」で第六十八回角川短歌賞次席。「眼鏡のふち」で第六十九回角川短歌賞次席。「白昼」で第三十五回歌壇賞次席。慶應義塾大学在学中。東京大学Q短歌会所属。
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