身口意をみがくわかもの畏るべし六月の露華すずしく光る
さすが清潔なろかさんです。一本一本の歯と対話しながら磨いているのだ。「真空のようなこころ」の表現に感心した。私も日頃の歯磨きのおかげだろうか、80歳ながら、歯はほとんど残っている。「身口意」とはいうまでもなく、身体活動と言語活動と精神活動だ。今の若者はなどと自分のことを棚に上げて言う輩もいるが、私は若者に期待している。私たちこれまでの世代が持たなかったものを身につけている。短歌の世界でもそうだ。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)
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1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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