No.161/2024年6月9日【いろ】 川沿いに続く桜のいったいのうすずみいろに昏れていたりき

福山ろか

ソメイヨシノの花びらはかなり色が薄いんだなということを、この春何度かお花見をして感じた。撮った写真を見返してみても、がくや花の中心はピンク色をしているが、花びら自体はほぼ真っ白だ。だからなのか、桜全体としての色や雰囲気は、見る時間帯や天気などによってだいぶ違うように思う。日が沈んだころ川沿い一帯の桜がもっていた独特な凄みを、桜の季節が終わってからも何度か思い出している。

作者/福山ろか(ふくやまろか)

2004年、浜松市生まれ。埼玉県在住。高校一年次、現代文の授業をきっかけに作歌を始める。「さえずりに気づく」で第六十八回角川短歌賞次席。「眼鏡のふち」で第六十九回角川短歌賞次席。「白昼」で第三十五回歌壇賞次席。慶應義塾大学在学中。東京大学Q短歌会所属。

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