いっちゃがという日向弁 色黒き日向かぼちゃが言うとき色気
あつこさんの「瓜」の一語をつんで生かした歌、面白い。「カンボジア」をいつのまにか「かぼちゃ」と言いかえた祖先がよくわかる。「ちゃ」の音は楽しい。「ちゃ」の音を生かしたオノマトペが日本語にはたくさんある。「いっちゃが」は草太さんはよく知っているはず、あつこさんやろかさんは、わかるだろうか。「いいんだよ」という意味の宮崎弁。よくいえば寛大で優しい感じだが、悪く言えばいい加減で無責任な感じ。なお宮崎の男性は「いもがらぼくと」(芋幹で作った木刀で役に立たない)、女性は「日向かぼちゃ」(色は浅黒いが、気立てはよくて優しい)と昔から言われる。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)
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1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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