No.157/2024年6月5日【メールアドレス】 ケイタイの番号もメールアドレスもいくつももつ人 戒名はいくつ

伊藤一彦

ケイタイを二つ以上もっている人がいる。社用と個人用だけでなく、個人用が複数の人がいる。メルアドも二つも三つももっている人があるとのこと。その人たちはいくつもの「顔」を楽しんでいるのだろう。私はケイタイもメルアドも一つである。戒名はふつう一つだが、私の母は二ついただいている。一つはもちろん檀家の坊さんが名づけてくださったものである。もう一つは私の畏友で僧侶の福島泰樹がわざわざ東京から尋ねてくれて母の仏壇にお経を上げ戒名を贈ってくれたのである。私の母は福島泰樹を大好きだったので大いに喜んだに違いない。「戒名を二つもつ人に青葉光」は今日の駄句。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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