まなうらに光の模様が混ざりあう眠ろうと目を閉じているとき
眠りに落ちるまで目を閉じていたり開けていたりする時間は、どこか不思議で独特で、特別な感じがする。感覚が冴えてきたり、何かのことをけっこう深く考えたりすることもあるけど、たいてい次の日にはその時間の存在すらほとんど思い出すことはない。〈天井を何度も過ぎてゆく夜の光は昔から変わらない〉〈仰向けのわれのからだは少しだけみずうみ 闇に眼をあけている〉という二首は、自作のなかでもかなり好きな歌だ。
作者/福山ろか(ふくやまろか)
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2004年、浜松市生まれ。埼玉県在住。高校一年次、現代文の授業をきっかけに作歌を始める。「さえずりに気づく」で第六十八回角川短歌賞次席。「眼鏡のふち」で第六十九回角川短歌賞次席。「白昼」で第三十五回歌壇賞次席。慶應義塾大学在学中。東京大学Q短歌会所属。
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