No.152/2024年5月31日【足裏】 全身を支へくれてる足裏の神はもの踏むときにも優し

伊藤一彦

足裏は人間の全体重を支え、体のバランスを整える。そして、足裏には 大切なツボがあるのは有名だ。足裏のマッサージは気持ちいい。足裏には 神様が棲んでいる。 若山牧水が草鞋を好んだのは、「足裏の神」を愛していたからである。 エッセイ「「草鞋の話 旅の話」に次のように書いている。「草鞋を程 よく両足にはきしめて大地の上に立つと、急に五体の閉まるのを感ずる。 身体の重みをしつかりと地の上に感じ、其処から発した筋肉の動きがまた 実に快く四肢五体に伝はつてゆくのを覚ゆる」と。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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