また罪を重ねてしまう足裏の潰れた米にも七人の神
もし僕を名乗る人物とご飯を食べて、ごちそうさまの後の茶碗に米が一粒でも残っていたなら、そいつは偽物である。「ひと粒に七人の神様がおるんやぞ」と育てられたおかげで、僕の茶碗に米粒は常々一切残らないようになっている。だからこそ、落とした米粒を踏んでしまったときというのは非常に後味が悪い。一粒七人、この足裏の何粒かで大量殺神である。自分の不注意が恨めしい。
作者/久永草太（ひさながそうた）
1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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