No.136/2024年5月15日【牧水】 牧水が産まれ直して呑みにくるほどのうまさよ鍋島の味

久永草太

最初に飲んだ日本酒は青森の「田酒」で、これが諸悪の根源であった。なんてうまい液体がこの世にあるのか、このバナナミルクセーキもひれ伏さんばかりのフルーティーさが米から産まれるとは何事か。その後、佐賀の「鍋島」を勧められて飲んで、退路は断たれた。もう日本酒にぞっこんである。「それほどにうまきかとひとの問ひたらば何と答へむこの酒の味」と詠んだ牧水に、この酒を呑ませて一緒に悩みたいものである。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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