No.134/2024年5月13日【アプリ】 アプリの意味長く知らなかった はるか昔カントにアプリオリは習ったけど

伊藤一彦

パソコンを遅く初めて、今でもよくわかっていない私には、理解のむつかしいコンピュータ用語がいっぱいある。この「いちごつみ」もひやひやの作業だ。アプリオリの語なら若いときから知っている。言うまでもなく、カントの認識論に出てくる用語で「先天的」の意味だ。大学3年の哲学科のゼミでカントの『純粋理性批判』を原書で読んだことを思い出す。といってもその内容はほとんど忘れたが。ドイツ語を声を出して読むときの声が大きすぎると級友に苦情を言われたことは覚えている。教授は小山甫文先生だった。さすがカントのように誠実で几帳面な先生だった。後に拙い卒業論文の主査をしてくださった。早稻田の教授で自宅を訪れたのはこの先生だけだと思う。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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