ボディブロー打ち込むあたりにひびく咳あばらのうちに夕日はしづむ
先月ひいた風邪により咳がまだ出て肋骨が痛い。咳が出るせいで、飴を丸飲みしてしまい喉に詰まりそうになったり、飲んだお茶にむせたりした。咳というのはすごい威力だ。肋骨はボディブローを打ち込まれないようにガードを構えて守るものだと思っていたが、まさか自分の身の内側からの攻撃にやられるとは。咳が止まるまでもう少し時間がかかりそうだ。ただ、咳のおかげで筋トレせずとも腹筋が鍛えられた。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)
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1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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