No.124/2024年5月3日【支払い】 やっとこさ値切りカードで支払いて君と砂場で食う泥団子

久永草太

「ひゃくおくまんえんです」と、その子は握りたての泥団子を差し出してくる。百億万、という位は存在しないが、恐らくその子の想像しうるこの世の最高額を請求されているようだ。ちょっと待ち合わせが無くてー、あ、カードって使えます?などと交渉し、なんとか葉っぱのカードで支払い成功。幼稚園でアルバイトしていた頃の話である。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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