校庭に鬼ごっこする子どもらは声あげ走る泥つきの声
春、小学校の近くを通ると、元気な子どもたちの声が聞こえてくる。意味のある言葉のやり取りというより、わあわあきゃあきゃあ、時にはウォー、時にはギャア。高いの低いの入り混じって、音のかたまりとして飛んでくる感じだ。あつこさんの歌に「泥つき」という語を見た瞬間、あの声を思い出した。
作者/俵万智(たわらまち)
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1962年、大阪生まれ。「心の花」会員。歌集に『サラダ記念日』『未来のサイズ』『アボガドの種』など。4月からNHK短歌、第二週の選者を務める。
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