No.86/2024年3月26日【のろけ】 「のろける」と「とろける」は同じ語源にて「の」と「と」はどつち甘くて熱いか

伊藤一彦

草太さんが「のろけ」をあえて漢字で「惚気」と書いた北理由は何だったのだろうか。「とろけ」も漢字で書けば「蕩け」である。この「とろけ」と「のろけ」が同じ語源らしいから面白い。「の」と「と」の音だけ違って「ろける」はいっしょである。「ろける」の古形は「ろく」だと思うが、「ろく」とは大日本国語辞典によれば「気分が安らかで、心身がゆったり」の意味が出ている。いずれにしても。「のろける」と「とろける」は同じ気分のようだ。なお、今日は犀星忌。昔とろけた犀星の詩をおもいだす。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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