ひらがなの淡き光の進軍が母の手紙につくるひだまり
母の書く字はとてもやさしい。特にひらがなで書かれた字に、私は母らしさを感じる。送ってくれた小包の中にその字を見つけると、ひだまりのような明るさが広がる。チラシの裏に書かれたメモ書きの文字であっても、私はいつも優しい気持ちになる。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)
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1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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