「花は咲く」と歌ひ歌はせて花咲けりや原発避難者に帰還住民に
東日本震災から13年の今日である。 数日前に日本近代文学館から『慟哭 3・11』が届いた。「巨大地震、大津波、これに伴い生じた原発原子炉の炉心溶融による放射能汚染」を経験、見聞しまた思いをめぐらせた文学者たちによる「痛恨、哀悼の俳句、短歌など」数多くの作品を作者自身が揮毫した一冊である(青土社刊)。2014年の拙作「東日本大震災を語りをりたつた一人の遺体も見ずに」も収録されている。「当事者」でない者が歌っていいかどうか悩みながら詠んだ一首だった。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)
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1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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