一本の脚を支えに睡るとき鷺が掴んではなさぬ地球
中也の「骨」を読むとき、一本脚で微動だにせず寝ている鳥の姿を連想する。生きているからこその脅威的なバランスで立っているわけだが、そのまま死んでも、骨になるまで立っているのでは、と想像してしまう。今年も宮崎・一ツ瀬川にクロツラヘラサギが飛来している。地球上で6000羽しかいない彼らの、美しくも危うい眠り姿を眺める。
作者/久永草太(ひさながそうた)
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1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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