No.59/2024年2月28日【骨】 人骨と呼べば人類代表になった気がするわたしの骨も

乃上あつこ

骨を「人骨」と言っただけで、古墳や石室から出土した数百年前の人類の骨を想像する。それは調査対象になり、博物館に飾られるかもしれない。私たちは人骨を備えている以上、その時代に生きていた人類の代表となる可能性を秘めている。中高年だってまだまだこれからだ。死んでからが人骨としての生き残りを賭けた本当の勝負かもしれない。死んだからってうかうかしていられない。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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