付箋紙に吹く春風のはたはたと半分は冬に付着している
今の時期の気候は、まさに三寒四温。被災地の方々も片付け作業をしながらの生活は、体調管理が難しいだろう。体には充分気を付けていただきたいと心から思う。春風を感じて顔を上げても、足元は冬の寒さが残っている。宙に浮きつつ地を這うような付箋紙は、人に見てもらうため明るい色をしている。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)
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1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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