No.51/2024年2月20日【あわ】 春の夕あわを食ひたるくやしさに水中のごときニシタチを行く

伊藤一彦

さすが草太さん。黄雲が酒の異称であることを知っているとは。左党はやはりちがう。あつこさんの結句の「あわあわ」も面白かった。「あわあわ」は「泡泡」であると同時に、すぐに消えやすい「沫沫」、さらに余裕がなく慌てている状態の「慌慌」でもある。私も酒の歌にした。ニシタチは宮崎県最大の飲み屋街。新旧の店が並んでいるのでガラパゴス飲み屋街ともいう。三人でいつかニシタチでイッパイやりたいね。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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