黄雲のたなびく方へむかひゆく一本道に人影をみず
あつこさんが子どもの時の学校時代はそうだったのですか。私も特に小中学校の時は「意思のない」子どもだったような気がする。「教室は深いみずうみ」とまでは思わなかったけど。その後、高校、大学を経て、教師となり、生徒に鍛えられるうちに自分が変わっていったのかなと思うが、80歳になっても自分は見えない。見えたり見えなかったりする礁すなわち隠れ岩のようなものか。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)
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1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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