No.48/2024年2月17日【みず】 黄雲のたなびく方へむかひゆく一本道に人影をみず

伊藤一彦

あつこさんが子どもの時の学校時代はそうだったのですか。私も特に小中学校の時は「意思のない」子どもだったような気がする。「教室は深いみずうみ」とまでは思わなかったけど。その後、高校、大学を経て、教師となり、生徒に鍛えられるうちに自分が変わっていったのかなと思うが、80歳になっても自分は見えない。見えたり見えなかったりするいくりすなわち隠れ岩のようなものか。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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