No.37/2024年2月6日【身】 スコッチのように記憶は香り出す元船乗りの身の上話

久永草太

宮崎、若草通りからちょっと外れたジャズバー「ファークライ」へ。塚本邦雄が好きだというマスターが、馬を洗はばや皇帝ペンギンの歌を次々誦じて聞かせてくれる。本棚には、前川佐美雄も種田山頭火も平積みに積まれていて、目が離せない。カウンターから「ウィスキー薄くなるぞ」とマスターの声がする。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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