新聞の活字の畑に血を流す残虐な一語、腐敗した苺
いちごつみを始めてから、活字を見る時に以前よりも単語が際立って見えるようになった。新聞には、切実な状況や残酷な事件を表す言葉が埋め込まれている。広い世界の現実を伝える新聞という活字の畑には、きれいなだけではない苺が紛れている。血を流すような苦しみの中にいる人々に心を寄せたい。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)
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1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
コメント
一語と苺をかけたのですね。なるほど深いです。