見えないか 今もいららのかんむりをかぶり歩めるイエスの姿
ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の葬儀に世界の国々から多数の人々が参列した。「壁ではなく橋を」と訴えた教皇の死を悲しむ人々だった。が、その中にはなんと「橋ではなく壁を」築く独裁者もいた。「汝の敵を愛せよ」と説いたイエスは今もいららのかんむりをかぶせられ十字架への道を歩かされている。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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