No.482/2025年4月26日【オニ】 やわらかく葉をひろげいるオニノゲシそのいららまだ何も刺さずに

久永草太

ノゲシとオニノゲシは似ている花なのだけれど、その名前の印象とは逆に、ノゲシの方が荒っぽい棘を持っている。牛や馬や山羊など、草食獣に容易に食われないようにという棘なのだろうけれど、今や道端を闊歩する草食獣はそうそういない。誰に向けるでもない棘を尖らせて、植物たちに油断はない。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

コメント

タイトルとURLをコピーしました