No.479/2025年4月23日【放】 ホームラン打っても球は落ちるけど、落ちるから放物線きれい

久永草太

週末に発表があり『命の部首』が現代歌人協会賞と日本歌人クラブ新人賞を頂くことになった。自分で言うのもなんだが歌集としては大ホームランだと思うし、さらに多くの人に読まれるのだろう。たとえどんなに盛大なホームランでも、第一宇宙速度(秒速7.9キロ)以下で放った物体は、放物線を描いて地球に落ちてくる。どんな歌も言葉も、いつかは忘れられていくし、忘れられなかったとしても、人類の絶滅や地球の寿命とともに消滅する。けれど、なるべくゆっくり、大きくて綺麗な放物線を描けると嬉しい。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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