また来るね、じゃあね、あしたね病窓に虹が木霊す七つのいろで
変な天気の日だった。強風が吹き、曇って晴れて、雨が降って止んだ。その日、義母のお見舞いに行った。帰り際、それぞれが話しかけて病室を去るとき虹が出ていた。そして、ちょうど一年前の今頃、奥田亡羊さんが香貫山の牧水歌碑で撮った写真をXにあげていた。それを見て私も行きたいと思っていた。それで先週、西伊豆に行った帰りに香貫山に登った。霞んでいて富士山は見えず、桜の花が道路にたくさん散っていた。ご冥福をお祈りいたします。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
コメント