No.472/2025年4月16日【アク】 アク強き啄木なれど牧水とゐるとき純のわかものなりき

伊藤一彦

この前の4月13日は石川啄木の命日だった。天才を自負していた啄木は周囲の人間とトラブルを引き起こすことも少なくなかったようだが、貧困のうちに病死した。明治45年4月13日だった。家族以外で啄木の臨終に立ち会ったのは牧水だけだった。生前アクの強かった啄木。しかし、牧水にだけは違っていた。牧水が啄木の才能と人間を信じていたからと言えるが、それにしても牧水のヒュ―マニティについてあらためて考える。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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