巨大なるぐい飲みあらばそに酌まんミツマタ甘く香る林を
花見酒、とはいかなかったけれど、友達と夜の天ヶ城に桜を見に行ったり、祖父と山を散策してヒゴスミレを見つけたりと、先週は花尽くしだった。山はミツマタの花の最盛期で、一面ミツマタの咲く林を通りかかると、甘い香りが漂ってくる。この甘い風をそのまま酒にして飲めたら夢の中まで酔えそうだ。
作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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