春の日の磯にクロサギ一羽いてなにかわからん光を食べる
伊藤先生に比べたら雀の涙ほどなのだろうが、先月末は原稿の〆切が重なってずっと引きこもっており、ようやくそれらが片付いて、のどかに鳥見をできるようになった。高鍋の蚊口浦に行ったらクロサギ(その名の通り黒いサギ)がいて、赤や緑の藻の殖えてきた磯で、潮だまりに嘴を突っ込んで何やら食べていた。小魚のように見えたけれど、春の海は明るすぎてよくわからなかった。
作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
コメント