この春もサンテンイチイチ巡りきて年ごと増えるいちごの品種
「東日本大震災がきっかけでTwitter(現X)を始めた」と言ったら、久永さんが驚いていた。通行止めの道路や断水、停電、ガソリンが買える場所などを知るために、私はTwitterを使い始めた。当時、ミネラルウォーターやトイレットペーパーなど一時間も並んで買った。一方、色鮮やかないちごがたくさん売られていたが、原発事故の影響を懸念した人々は買うのを控えていた。年々、いちごの品質は向上し品種も増えている。震災を振り返る時、買われずに並んでいたいちごのことを思い出す。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
コメント