ふくりふくりうごくお腹で古猫の息を確かめまたねむる夜半
もうすぐ20歳になるたますけは、猫の超高齢者。もうトイレがわからなくなって、毎晩何度か、あおーんあおーんと鳴いて起こされる。だからわたしは毎日寝不足だけれど、あまり静かに寝ていると心配になってお腹が動いているか確かめる。毛深くてやわらかい愛しいお腹。20年も一緒に寝ているのだ。
作者/小島ゆかり(こじまゆかり)
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1956年、愛知県生まれ。「コスモス」代表。短歌甲子園(盛岡)特別審査員、高校生万葉短歌バトル(高岡)判者。若山牧水賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など。
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