馬ならば日向の駒といはれたるここの社の流鏑馬待たる
ヤブサメの可愛い写真と歌を見た。このかわいいヤブサメを私は知らず、ヤブサメと聞いてすぐ思うのは神武天皇をまつった宮崎神宮で行われるヤブサメだ。武士の装束に身をかためた騎馬武士達が馬をはしらせながら的を射る勇壮な神事である。新緑のころ、宮崎神宮でもよおされる。このヤブサメの語源は矢馳馬(やはせめ)が有力らしい。久永君の小鳥のヤブサメの語源は辞典でしらべると、藪でシシシシと小雨が降るような声で鳴くからだという。一度聞いてみたいものだ。
作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)
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1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。
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