我がカモメ死魚に群がるようにして閉店セールに便箋を買う
近くの書店がもう店を畳んでしまうとのことで、文房具類が半額になっている。それまでほとんどその本屋で買い物をしなかった罪悪感を覚えながらも、便箋や短冊、筆ペンなんかを買っておく。この店の潰れるのに加担した心地さえする。何を今更、と思われそうだが、定価の本も一冊買った。自己満足も甚だしいな、と思う。
作者/久永草太(ひさながそうた)
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1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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