No.373/2025年1月7日【一度】 避けがたく摂氏一度の朝は来て張り手のごとし顔洗う水

久永草太

松の内も今日で終わり、勤め人の朝に優しくない寒波である。だいたい断熱材というものが全く仕事をしていない我が家、おそろしいことに室温と外気温がほとんど変わらない。着替えて顔を洗ってというそれだけのことが、夏よりずっとおそろしい。張り手でもされたような、しわくちゃのしかめっつらで、今日も出勤する。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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