No.369/2025年1月3日【たましひ】 童心はたましひの錘(おもり) 陽と風を感じ凧糸ひつぱりながら

乃上あつこ

「童」という漢字の成り立ちは恐ろしい。「辛」「目」「重」の三つが組み合わさってできているそうで、「目のまわりに刺青を入れられた奴隷」を示すらしい。言葉を見つけては五七五七七の定型に近づけ、一首を作り上げる私たちは、すでに短歌の奴隷だ。やらなくてもいいのに、自ら望んで行う主体性のある積極的奴隷だ。奴隷はご主人様に従わなければならない。ご主人様は誰か。それは自らの嘘偽りのない心だろう。いつか心をふるわせる歌が詠めるようになりたいと思う。

作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。

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