冬と死が近くてやだな指先を切ったのに血があんまり出ない
手も足もすっかり生命体を辞めてしまったかのような冷たさ。末端冷え性である。あまり毛細血管が広がらないためだろう、血の通っている感じがせず、ちょっと切り傷ができても、あまり痛くないし血もほとんど出ない。それがなんだかちょっと怖い。
作者/久永草太(ひさながそうた)
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1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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