それぞれの螺旋くずれてさようならカラスの勝手でしょう、おたがいに
昨日の伊藤先生の歌から「螺線」を摘もうとして、おや、螺線と螺旋はなにが違うのだろうと調べてみた。螺線は蚊取り線香のような平面、螺旋は巻貝やトンビの飛び方、あとはDNAの二重螺旋構造のような立体を指すのだそう。今は夕方にカラス(とくに北から渡ってきたミヤマガラス)の群れが螺旋を描いて賑やかだ。でも気づけばいつの間にか解散している。「カラスの群れ」と言うとなんだかそういう物体があるようだけど、それぞれ一羽一羽の生活の一部が集まっているだけなのだなあ、と当たり前のことを思う。
作者/久永草太(ひさながそうた)
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1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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