No.335/2024年11月30日【抱きしめられて】 幾重にも抱きしめられて白菜の真中にやわくねむる白菜

久永草太

白菜がその中にある小さな白菜を抱きしめる形を重ねて膨らんでゆく冬。ぎゅっと身の詰まってずしりと重い白菜を買えた時は嬉しい。もう12月が来てしまうのか。〈白菜を一つ抱へてしぐれする師走の街を走るさびしも〉(『暁すばる』馬場あき子)の一首を思いだす。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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