No.323/2024年11月18日【かつて】 変わらない街ゆく嬉しさのかつて鯨の祖先歩みし陸地

久永草太

ボロボロのたばこ屋さんだとか、どういう経済圏で成り立っているのかわからない地元の魚屋さんのような、昔を取り残したような街並みを見かけると嬉しくなってしまう。生き残った希少植物を見つけたような、そんな嬉しさ。鯨にかつて陸を闊歩した後肢の遺残器官を発見した人も、こんなうれしさだったろうかと思う。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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