No.320/2024年11月15日【あふれ】 咳止めをあふれんばかり服(の)む人の玻璃のうつわのひび思いいつ

久永草太

ずいぶんしつこい風邪に付き纏われてしまって、それもやっと治ってきたところなのだが、咳だけがまだ残っている。咳止めを変えてみようと思ってドラッグストアへ行くと、店員でないと開けられない透明ケースに入れられた商品がいくつかあった。なんだろうと思いつつそれを買ってみたら、年齢や頻繁に買っていないかなどの確認もされて、えらく厳重である。あとで調べてみると、昨今騒がれているオーバードーズに使われやすい薬のひとつなのだそう。危険の身近さにひやりとする。薬物乱用は、ダメ。ゼッタイ。

作者/久永草太(ひさながそうた)

1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。

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