No.315/2024年11月10日【柱】 人柱ありし世を思いわが家近く暮らしし尹東柱(ユンドンジュ)をおもいおり

吉川宏志

尹東柱は治安維持法によって逮捕され、1945年に27歳で獄死した詩人。同志社大学に通うため、京都市左京区の高原町のアパートに下宿していたという。ここは私の家から歩いて15分くらいのところ。
「人生は生きがたいものだというのに
詩がこれほどもたやすく書けるのは
恥ずかしいことだ。」
 (岩波文庫『尹東柱詩集 空と風と星と詩』・「たやすく書かれた詩」より) 

作者/吉川宏志(よしかわひろし)

1969年宮崎県東郷町生まれ。京都市在住。「塔短歌会」主宰。第1歌集『青蝉』で第40回現代歌人協会賞を受賞。今年、第9歌集『雪の偶然』で第58回迢空賞受賞。最新歌集『叡電のほとり』を今夏刊行。

コメント

タイトルとURLをコピーしました