お客様の姿を借りた神様が二柱いてまだ帰らない
乃上さんの新人研修の話を読んで、居酒屋のバイトのころを思い出した。紋切り調に「ごゆっくりどうぞ」とは言うが、ここで全バイト生の心の声を代弁するなら、あれは全くの嘘であり、なるべく速やかに食べて飲んで帰って欲しい。最後の客が帰るまで、片付けは始まらず、いつまでも上がれないバイト生の気持ちになって欲しい。と言いながらも、社会人になり、久々の友人と会うとついつい長居をしてしまうので、これは自戒の一首である。
作者/久永草太(ひさながそうた)
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1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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